Web制作おたすけ技術を求めて

ブラウザチェックが10倍カンタンに!
Expression Web 4「SuperPreview」がすごい。

ブラウザチェックというボトルネック

こんにちわ。矢野です。Webデザインの仕事をしています。画面設計からモックアップ、カンプを作成する作業が基本的な担当領域です。コーディングも部分的に担当する場合があります。例えばカンプをコーディング担当者さんに渡し、基礎部分を構築してもらったあとデザイン要素をCSSで追加するといった分担をすることがあるのですが、そんな行程のなかで矢野が苦手とする瞬間は、ブラウザチェックです。
ブラウザチェックの嫌なところは、部分的なレイアウトの崩れが「そんないまさら。」というタイミングで発覚することだけではありません。複数のブラウザ環境をまたがなければならないのが面倒なのです。

イラスト

Mozilla FIrefoxやGoogle Chromeは独立したアプリケーションなので同時に起動すればよいですが、バージョン違いのInternet Explorerではそうはいきません。結局正確なチェックをするためにはPCをまたがなければならないことだってありますし、もしチェック中にズレが発覚した場合はブラウズ環境からコーディング環境に切り替えなければならないのです。切り替え終わったときにはどこにエラーがあったかわからなくなってしまうこともしばしばです。
そんなつらい症状に効く!ということでAdobe Dreamweaver CS5を通してBrowser Labsも試してみましたが、クラウド上のサービスの速度が若干遅く、テスト結果の表示までやや時間を要するのがボトルネックに感じられて結局は今まで通り、テスト環境をまたにかけて右往左往しています。

無償でSuperPreviewをゲット

そんなさなか、MicrosoftのExpression Web 4を通して便利なテストツールが使えるらしいので試してみてもらえないか、というお話がきました。ようはレビュー記事を書かないかということだと解釈して(この記事です)軽い気持ちでお話をうかがったところ、Expression Web4のユーザーは「SuperPreview」という複数のブラウザでのレンダリング結果を一目で確認できるテスト環境が使えるというのです。ん?Expression Webの機能じゃないの?と一瞬疑問がよぎりますが、 正確にはExpression Web本体とは別の独立したツールになっていて、 一部はオンラインを通じて提供されるサービスとも言えるようです。

ロゴ

なお、Expression Web 4は各種パートナー企業が提供している「Microsoft Website Spark プログラム」に加入すると無償で利用できます。 25人以下の制作会社であればウェブ経由で申し込みをすることで3年間の利用契約ができるとのことです。

本プログラムにはExpression Web 4を含むMicrosoft Expression Studio製品や、Visual Studio 2010、Windows Web Server 2008/ R2、SQL Server 2008 Web Editionといったサーバ製品のサブスクリプションも含まれています。 アプリケーション開発の環境整備など、なにげに面倒な作業がこれで一括してクリアできそうです。

SuperPreviewの使い方

春日井さんを発見
マイクロソフト株式会社
エバンジェリスト春日井氏

詳しい話は自分で調べてくださいね。ということになったのですが、百聞は一見にしかずだ!とマイクロソフト株式会社に行ってエバンジェリストの春日井さんを発見。SuperPreview について説明してもらいました。

春日井さん曰く、このアプリケーションSuperPreviewは、ローカルのほかにもクラウドサービス越しにWebkitといった各種レンダリングエンジンにアクセスして結果を取ってくるそうです。複数種類のブラウザのレンダリング結果が1つの画面で試せるところまではAdobe Browser Labsと同じですが、ここはやはりMS製品。 歴代のInternet Explorerのレンダリングエンジンはローカルでサポートしており、レンダリングを正確に再現します。

図1

SuperPreviewを起動すると出てくるブラウザ一覧。Expression Web 4からはShift+F12でSuperPreviewを呼び出して、コーディング中のWebページを送り込む。IEシリーズはすべてローカルの環境で使えるので処理が速い。ちなみに”クラウドのMS”と言われるだけに、オンライン上のレンダリングエンジンの処理もかなり速い。
(図1)

図2

ファイルのURIを入力する箇所に運用中のURLを入れると、公開中のサイトの各種ブラウザへの対応もチェックできる。Twitterはプログレッシブ・エンハンスメント実装を採用しており使用ブラウザのCSS対応状況によって外観が変わる。IE6ではCSS3に対応していないのでボックス部分の角丸が反映されないことが分かる。
(図2)

要素ごとにエラーを確認

矢野が気に入ったのはレンダリング結果が、レイアウトをHTMLの要素ごとに選択できる状態に保たれているところです。問題を生じている要素の特定は、ブラウザ別にアドオンで入れている各種デバックツールなどでできることといっても複数のブラウザのレンダリング結果として確認しながら特定できるのは便利です。また、特定したあとはすぐに編集作業に切り替えられるのも楽です。
そのほか、画面上をピクセル寸法で採寸する機能があったり、オニオンスキン機能でズレの状況を把握するような細かい機能も持っています。PhotoshopデータをSuperPreview機能の中で表示できるびっくり機能もありました。通常デザインのカンプデータはPSDファイルになっているものですが、元のデザインデータを実装結果と並べてチェックし、ずれている箇所を見つける作業に使えます。

図3

たとえサーバー上のデータであってもHTML要素の構成が確認できる。ずれている部分をこの画面で発見できる
(図3)

図4

定規ツールを使ってピクセル寸法をはかっているところ。一見ズレがないように見えるこのレイアウトも、細かい部分(キャプチャーでは画面の右端)はズレを含んでいる
(図4)

図5

オニオンスキン機能。選択中のレンダリング結果を重ねてずれの距離を確認する
(図5)

図6

メニューバーから「スナップショット」を選ぶと、Expression Webのオーサリング環境にSuperPreviewの機能を取り込んでみせることが可能だ
(図6)

動作が軽くて快適

ところでレイアウトがバグっている部分を発見したらどのように対処したらよいのでしょう。Expression勝手に直してくれたりしないのでしょうか。「そうだったら便利なんですけどね・・そこは自分で直してください。いずれチャチャと直せるようにがんばります」(春日井さん)。そうですよね。

簡単な作業の流れとしては

1.Expression Web4コーディング作業一段落
2.SuperPreviewチェックをかける
3.問題点発見。要素を選択
4.コーディングにもどって要素からCSSにジャンプ。修正する

といった動きになります。一見煩雑ですが、アプリ自体が非常に軽いので、この流れはまるでテキストエディタのごとく素早くこなすことができます。 動きが軽快だ。という点に関して春日井さんは「Expression WebはあくまでHTMLとCSSのコーディング専用アプリケーションですから、余計な機能がなく軽いんです。JavaScriptを使ったフロントエンド実装をしたい場合はVisual Studioがお勧めです。手になじんだツールがあればそれを使うのもよいでしょうが、フレキシビリティを求めてテキストエディタ的な小規模のツールを苦労して使うよりもずっと作業が効率化しますよ。」と説明していました。なるほど。ちなみにExpression Web4の対応OSはWindows XP SP3以降で対応OSの幅も広いです。

SuperPreviewは、便利だった

春日井さん2

基本的に制作環境はWindowsを使っている。という制作会社ならExpression Web 4とSuperPreviewを使うことでかなり生産効率が上げられるでしょう。

しかし、そもそもレンダリングチェックが必要なのはマイクロソフトのブラウザがバージョンにより相当異なる挙動をするから..とも正直なところ考えてしまいますが、ことCSSのサポートについて考えみれば、どのブラウザでも微妙な違いは現れてしまうもの。ウェブ制作者にとってレンダリングチェックはこの先ずっとつきあわなければならない工程であることは間違いないでしょう(たとえInternet Explorer 6がなくなろうとも、ですね)。手軽に済ませるにこしたことはありません。個人的にはモバイル環境のエミュレーションもできれば完璧ですので、そのうち対応してもらえるとうれしいです。といってもPC向けサイトのレンダリングチェック専用アプリとしても十分活躍しますから、矢野は今後SuperPreviewで最終確認と微調整をものすごい勢いでこなします。そして今よりもうちょっと自由時間を多めにして、ブラウザテストの疲れをいやす、何かをしたいですね。机の上を片付けるとか。

なお、前述の通りSuperPreviewは「Microsoft Website Spark」に登録することで無料で利用することができます。 WebsiteSparkへの登録も無料ですので、コチラから登録のうえ利用してみてはいかがでしょうか?
矢野もWebsiteSparkへの登録作業をすべく(http://www.microsoft.com/web/websitespark/)からアクセスしてパートナー企業を選び制作会社登録を完了してから、Web開発者支援(WebsiteSpark)に登録するまではWindows Live IDがあれば(なければ取得すれば)よいため比較的スムーズにできました。ただそこからExpression 4が含まれるExpression Studio 4 Web Professional をダウンロードしてインストールするまでが少しややこしいです。それから、SuperPreview の中でローカル ブラウザーだけでなくSafari などの環境を検証する際には、ベータとして提供されている「SuperPreview オンラインサービス」という機能を有効にする必要がありました(ここは初めから有効にしておいてくれたらなぁ。と思いました)。わかりにくかった個所については以下にマイクロソフトさんに補足してもらいましたので、ご参照ください。

Expression Web をインストールするまでの流れ

まず、WebsiteSpark の管理画面に http://www.microsoft.com/web/websitespark/ からサインインしてください。 (登録時に使用した Live ID を使用します。)
右上のサインインの文字をクリックして WebsiteSpark の管理画面にサインイン
WebsiteSpark の管理画面の左ペインに表示されている「ソフトウェアの入手!」の箇所をクリック
MSDN Subscriptions というページが表示されるので、右図の中の赤く囲った 2 個所をそれぞれ「日本-日本語」と「言語:Japanese」に変更
ページの日本語表示とダウンロードする製品の言語バージョンを日本語にするための作業です。
WebsiteSpark 管理画面のトップページ
その後、左ペインの「デザイナ向けツール」をクリックし製品名を表示させ、「Expression 4」を再度クリック。すると「Expression Studio 4 Premium (x86) - DVD (Japanese)」と「Expression Studio 4 Web Professional (x86) - DVD (Japanese)」の二つの製品名が表示されますので、今回は「Expression Studio 4 Web Professional (x86) - DVD (Japanese)」の「ダウンロード」をクリックしてください。 ( WebsiteSpark では、Expression Studio 4 Premium も提供されています。)
すると、iso ファイルのダウンロードを行うために、右図のような画面が表示されますので、赤く囲った箇所にダウンロード先のフォルダを設定し「Transfer」ボタンをクリックしてください。(ダウンロードが自動的に開始されます。)ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたiso のイメージファイルを DVD に焼き付けてインストール用のディスクを作成ください。
Exression Studio 4 Web の iso ファイルのダウンロード画面
ダウンロードをしている間に、もう一度 MSDN Subcriptions のページに戻って、インストールの際に必要な「プロダクトキー」を入手したいと思います。先ほど押した「ダウンロード」の文字の左側の「キー」の列にある「表示」ボタンをクリックしてください。すると、右図のように「プロダクトキー」の列の下にある「表示」をクリックするとそこに「プロダクトキー」が表示されますので、メモしておいてください。
プロダクトキーの入手ページ
その後、先ほど作成したインストール用の DVD を起動し、Exression Studio 4 Web のインストールを開始してください。まず「使用許諾契約書」の画面が表示されますので、中身を確認いただいた後「同意する」のボタンを押してください。すると、以下のようなプロダクトキーの入力画面が出ますので、そこに先ほどメモしておいたプロダクトキーを入力して「次へ」のボタンを押して下さい。
あとは、ウィザードに従ってExression Studio 4 Web をインストールしていただければ完了です。
プロダクトキーの入力画面

SuperPreview オンラインサービスの認証方法

ローカル ブラウザーだけでなくSafari などの環境をサポートするためには、SuperPreview の機能を拡張して SuperPreview オンラインサービスというベータ サービスを有効にする必要があります。
以下にその方法を記載しますのでご参照ください。
まず、SuperPreview の画面で「リモート ブラウザー (ベータ)」と記載されている個所の右側にある「ライセンス認証を行う」の文字をクリックしてください。
すると、右図のような画面が出てきますので、「サインアップ」のボタンを押してください。
その後、もう一度 SuperPreview の画面に戻っていただき、右図にある「ライセンス認証を行う」のボタンをクリックしていただければ完了です。 (その宛先に認証のために必要な情報が送られます。)
“SuperPreview online service Beta activation” というタイトルが届きますので、その中に記載されている「検証リンク」のURL にアクセスしてください。 その後、もう一度 SuperPreview の画面に戻っていただき、右図にある「ライセンス認証を行う」のボタンをクリックしていただければ完了です。
Web制作おたすけ技術を求めて
矢野りん
デザイナー/日本Androidの会女子部部長
北海道足寄町生まれ。女子美術大学芸術学部芸術学科卒。講義活動を通してウェブサイトなど情報デザインのトレーニングを担当しつつ、執筆活動を行う。
Android端末むけ日本語入力アプリケーション「Simeji4」のビジュアルデザイン担当。GClue,Ink.制作のAndroid向けアプリ連携プラットフォーム「Blocco」UI及びビジュアルデザイン担当。MKデザインスタジオ一級建築士事務所ブランドデザイン担当。adamrockerさんと開発ユニット「rockrin'」として、おもしろAndroidアプリを制作している。
主な著書に 『WEBデザインメソッド-伝わるコンテンツのための理論と実践』 (ワークスコーポレーション) 『Webレイアウトの『解法』
Webデザイナーのための実践的セオリー50』 『デザインのへそデザインの基礎体力を上げる50の仕事術』(エムディエヌコーポレーション)など。身長152.2cm。
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